2日目 オスロ 
オスロノルウェーの首都です。
ノルウェーはスカンジナビア半島の西側に位置し、ヨーロッパの中で最も南北に長い地形で、西海岸には絶景のフィヨルドが数多く点在します。(地図参照)
その地図で赤丸のヘルシンキから飛行機で赤丸のオスロへ来ました。(赤丸は首都です)

ノルウェーの人口は470万人、首都オスロの人口は57万人です。
19の県からなりその下に431の基礎自治体のある2層式で、オスロは一つの県でもあり、基礎自治体ともなっています。
ノルウェーは1995年にスウェーデンから連合を解消し独立国となり、2005年に建国100年祭を行った、まだ若い国です。
暖流のお陰で比較的温暖なこともあり、古代から人は居住し、その後ゲルマン系のノルマン人がこの地に定着したのが、ノルウェー人の基礎となったようです。
8世紀から1000年頃まで、ヴァイキング時代でデンマーク・スェーデンヴァイキングと共に交易等で栄えます。
900年後半にハーレル1世がノルウェーを統一しますが、その後スウェーデン、デンマークによって支配されるようになります。
国名もデンマークに支配されたクリスチャン4世によりクリスチャニアと改名されていた時期があります。
独立したのが1905年で、1925年に元の名前に戻されました。
主要産業は石油・ガスの生産が24・9%(2006年GDP比)と大きく、石油の生産は世界第3位で資源に恵まれた国です。

ノルウェーの国旗  は、デンマークの国旗  の白い十字に、ノルウェーの海を表すとされる青い十字を重ね、独立運動のシンボルとして掲げられた旗です。

またノルウェーの最初の首都はヴァイキング王が築いた北海側のトロンハイム(旧名ニーダロス)でしたが、その後1240年ベルゲンがハンザ同盟の4大重要都市となり2番目の首都となります。
その後1299年オスロに遷都されました。
右の地図で、青丸の上がトロンハイムで、下がベルゲンです。
フログネル公園

6時半朝食、7時半出発で、オスロ市内見学です。
オスロといえばムンクの「叫び」を思い浮かべるのですが、残念ながら国立美術館の見学はなしです。
下の日時計(グスタフ作)がちょうど9時前を差している時間にフログネル公園に到着です。

グスタフ・ヴィーゲランの彫刻約200点を展示した市民のための憩いの公園で、24時間入れるそうです。
1921年オスロ市は彼の噴水とそれを囲む彫刻の構想のために32haの広大な敷地と材料を提供し、彫刻はすべて「人間の一生」をテーマにしています。
まだ8時台ですから、観光客は少なく、市民が自転車で公園を走り抜けて勤めに通う姿を多く見かけました。

右下の写真は高台にあるモノリッテン(人間の塔)で、121体もの老若男女が絡み合っている人間の彫刻で出来た塔です。
バルセロナのグエル公園同様に、バスの駐車場が公園の上にあるので、また私たちは逆コースの見学になったようで、上から正門に向けて見学する形になりました。

日時計

モノリッテン(人間の塔)

 
子どもたちの像


モノリッテンのある高台か正面門を見る



噴水と人間の像
 左上の写真はモノリッテンの周りを、夫婦、赤ちゃんから年寄りの像が取り囲んでいて、この写真の像は子供たちの像ですが、直接像にさわって楽しむのも、撮影するのも自由です。
右上は、そのモノリッテンのある高台から、正門までの公園を見下ろした写真です。

またすぐ上の写真はその中央の噴水の周りで、「人間の一生」が台座と台上に表され、台上は樹と共に彫刻されています。
赤ちゃんからはじまる四つの角にある彫刻のうちの最終章で、手前右はおばあさんと子供で、何かの相談を受けたのか少し悩んだ表情のおばあさんです。
手前はおじいさんと子供で、こちらは力強く子供を諭しているようです。(とガイドさんの説明ですが、想像は自由です)
その次はもう年老いて立てない老人で、最後は骸骨になっていて人生が終わります。

「おこりんぼう」の像

グスタフの像
左上の写真は、公園の真ん中にある人造湖にかけられた橋の欄干にある、有名な「おこりんぼ」の像です。
グスタフはどの像にも名前をつけなかったのですが、人間の一生を喜怒哀楽の表情も入れて作った像に、見る人が愛称をつけた人気の像です。
皆さんが足を触るので、そこがつるつるになっています。
怒っていても愛嬌があります。(笑)

右上は製作者グスタフ・ヴィーゲランの像で、正門前にあります。
右横は正門で、この正門の門扉も人間の絵柄で、公園内の全部が「人の人生」であり、グスタフの作品のみで占められています。

正面門

王宮



王宮

ヨハン王の騎馬像

衛兵の交代
オスロ中央駅と王宮とを結ぶ1、3kmのカール・ヨハンス通り(メイン通り)の高台にあるノルウェー王室の王宮へ行きました。
どちらかというとこじんまりとした感じの王室の居城で、ルネッサンス様式で1825年に着工され1848年に完成しました。
当時ノルウェーを支配していたスウェーデンのカール・ヨハン14世が完成させた王宮です。
その前庭に立っているのがヨハン王の騎馬像です
またちょうど見学時に、衛兵の交代があり、それを見届けることができました。
また話しかけなければOKということで、衛兵の横に立って記念撮影ができました、衛兵は微動だにせずでした。


市庁舎

オスロ900年祭を祝して1950年に建設されたのが市庁舎です。
高さ66mと63mの二つの塔を持つ建物で、オスロのランドマークになっています、またその中には38の鐘があるそうです。
建物の内部も外部もノルウェーの著名な芸術家たち300余人の作品があり、まるで美術館のようです。
左下は正面から撮りました、白鳥の像の噴水があり、そこから中央の階段部分を川のように水が流れ落ちます。
また正面右に美しい時計があります。
右下はその入り口の上にある彫刻です。

オスロ市庁舎正面

入り口の上の彫刻
この建物の両脇の塔の下にも北欧神話にまつわる16枚の色鮮やかな木彫りの作品が展示場のようになっていました。
そのうちの2枚ですが、左下は神トールが2匹の羊の引く車に乗り、投げると的を得て必ず手元に返ってくるハンマーを持っています。
嵐の村の空を駆け、ハンマーを投げると雷が鳴り、その後嵐がおさまり、トールの美しい晴天が現れます。
右下は神々の中でも最も力のあるオーディンが8つの足のある最速の馬に乗り、オーディンの持つ槍はすべての的に命中します。
2匹のワタリガラスが世界の情報をもってきて、夜道の森の行き先案内をしています。

北欧神話にまつわる木彫り

北欧神話にまつわる木彫り
下は1階セントラルホールの正面壁画です。
色々と壁画が描かれていますが、独立を勝ちとるまでの歴史を表しているアルフ・ロルフセンの壁画です。
またその下の写真は左側壁面の縦2m横12mのヨーロッパ最大の油絵で、ヘンクソ・ソーレンセン作「働き楽しむ人々」です。
幾何学模様の大理石の床も素晴らしいです。
この大ホールでノーベル平和賞の授与式が毎年ノーベル(1833年ー1896年)の誕生日の12月10日に行われます。
他の四部門のノーベル賞はストックホルムの市庁舎で行われますが、ノーベル自身が当時緊張感のある両国の友好を願ってこの賞の授与をノルウェーに委ねたというものです。

市庁舎の大ホール

大ホール側面の油絵

市内

左下は1899年完成したノルウェー最大の国立劇場の前です。
二つの像があり、左端ギリギリに立つのはヘンリック・イプセン(「人形の家」「ペール・ギュント」)で、この劇場は主にイプセンの作品を上演しているそうです。
右側の像は国民的文学者のビョ−ンシャ−ネ・ビョ−ンソンです。
左下は、1300年にホーコン5世が「この地(オスロ)を首都」にすると決めた時の指差しの手(手袋)のモニュメントがありました。

国立劇場前の2つの像

オスロ市内のモニュメント

オスロフィヨルド


オスロもオスロフィヨルドというフィヨルド海岸で、17kmの長さがあるそうです。
第2次大戦でドイツ艦隊による侵攻をうけ、オスロフイヨルドの戦いといわれたところです。。
こちら桟橋からオスロの街を撮りましたが、右側に市庁舎の海岸側(正門の反対側)が見えています。
この二つの塔で、市の職員が仕事をしています、中央のホールは2階にも多くの作品がおかれています。
右側には時計あり、また1時間ごとに38のカリヨンが鳴り渡り時を知らせているそうです。

オスロ湾
上の写真の右端ギリギリに石垣が見えますが、1290年代後半にホーコン5世の主導で建設されたアーケシュフース城があります。
特にスウェーデンに対抗する城塞でした。
ノルウェーの商業が海を利用して行われることが多く、海軍が軍事力の生命線となっていたため、重要な要塞となっていました。


ガイランゲルフィヨルド地区へ
首都オスロを後にして、フイヨルド地区のガイランゲルへバスで向かいました。
ノールウェーの面積は日本とほぼ同じぐらい、北緯57度以上という高緯度地帯に位置にあるのですが、ノルウェー海流が暖流であるため、冬でも海岸線は不凍港だそうです。
陸地のほとんどをスカンディナヴィア山脈が占める山岳地帯で、30%以上が森林や河川、湖沼という地形です。

右地図のようにオスロフィヨルドに流れ込む川沿いを北上します。
その川沿いのレストランでトイレ休憩がありましたが、その脇に咲いていたハマナス(左下)と満開のライラック(右下)です。

ハマナスの花

ライラックの花

木彫りの翁と嫗

スキーをしているトロル?
とにかく森林地帯ですから、豊かな木材を使った木彫りが至るところに置かれています。
左上の写真は道案内のように交差する道路の中央にあった、おじいさんとおばあさんの彫刻です。
右上は、給油に立ち寄ったスタンドの脇にあった木彫り群の一部です、様々な像が並び、ムンクの「叫び」の像まであり、笑ってしまいました。
背景にはノルウェー名物、屋根の上に草の種を蒔いた小屋まで見えます。
途中1994年2月に行われた冬季のオリンピック会場になった街リレハンメルを通りました。
ジャンプ会場を見ながらバスは通過しましたが、オリンピック開催としては最北の地ということです。
またその地域にじかに足を踏み入れたことも感慨深いです。

スターブ教会
(ロム村)


ロムスターブ教会
1200年代に建てられた教会ですが、その後増改築をしたりして、今の形になったロムスターブ教会です。
スターブ教会とはノルウェーのキリスト教会がヴィキング船様式との合体で作られている教会のことです。
またスターブとはノルウェー語で、垂直に立った支柱を意味するそうです。
ヨーロッパ全体ではほとんどのキリスト教の教会は石造りですから、木造と言うのは珍しく、残っているのもこのノルウェーだけだそうです。
スターブ教会の特徴は屋根のこけら板とヴィキングの守り神の龍頭が屋根の端に掲げられ、その作りもヴィキング船の船底の木組みと同じだそうです。(釘を使わず梁を組み合わせていくもの)
またこれらは、腐食を防ぐために、黒いタールが塗られ、土台には地面からの湿気を防ぐため重ねた石を土台にしています。
これだけの多くの森や、大きな木がある地域でもあり、何か木造建築ということで、日本とも共通の物を感じ親近感が沸きます。
右下の写真はすぐ近くのレストランですが、屋根に草を生やしています。
種を蒔いて生やすのですが、冬は暖かく夏は涼しいそうです。

こけら板と龍頭

屋根に草の生えたレストラン
リレハンメル、ロム村まで来ると山の頂には雪が残り、周りの景色も変わってきました。
急に雨が降ってきましたが、それもノルウェーの天気の特徴だそうです。
これまでこの地を訪れる観光客というのは、アジアでは日本人ぐらいだったそうですが、最近は中国や韓国の方も多くなったそうです。
「ゆりかごから墓場まで」というのは、イギリスの社会福祉のスローガンですが、北欧圏も世界の福祉先進国だと私たちは聞かされています。
ノルウェーは第二次大戦後すぐに福祉の充実に取り掛かり、貧富の差がないとはいえないが、最低限の生活は保障され、教育費も医療費も無料です。
その代わり税金は収入の45%だそうです。
物価も高く内税ですが、24%が税金で、若い方のほとんどは共稼ぎで生活を支えているそうです。
その代わり、老後のための貯蓄は必要がないので、みなさん貯金はしないで今の生活を楽しむそうです。
学費が無料ということもあり、留学生も多く、最近特に中国からは多いという話でした。
夏場ということで、多くのキャンピングカーなどにも出会いましたが、ほとんどがレンタカーだということです。
その代わり、税金を払っている人は、どこに住もうと、ノルウェーの主権のおよぶところは、福祉の恩恵を受けることが出来ます。
それで右下の写真ですが、これだけ高度が高い山の中でも、電信柱が立ち、電線が通っています。
何キロ先まで隣家がない1軒屋でも人が住めば、国が電気と水洗トイレ(下水道)の設備をするそうです。
日本では、電気も水道も来ていない土地ですと、すべて自分で手配をしないといけませんが、こちらではそういうことはなく、国の仕事と言うことで、感心しました。
この辺の木の電信柱は以前の日本を思い出し、懐かしい気がしました。

山の頂には雪、川に沿った道を走ります

川の半分が凍っています

川の全面が凍っています
山の上には霧がかぶり、小雨模様で景色がはっきり見えないのは残念ですが、運転手さんには雨でよかった、道路が凍結すれば走れないところだったと言われました。
ということは、足止めで進むことが出来ないわけですから、ほっとしました。
夏とはいえ、やはり厳しい気候の地域です、上の写真では川の半分が凍っていたのですがほぼ山頂近くに来ると全面凍結です。
でも自然の造作する景色は時として厳しい姿を見せてくれますが、また神秘的で美しくもあります。
1500から2600m級の山々があるので、上ったら今度はガイランゲルフィヨルドに向けて一気に山を下ります。
約10のヘヤピンカーブを下るのですが、まったく自然なためガードレールもなく、自分の座席から下を見ると、道路をはみ出している様に見え、スリル満点ですが、運転手さんに命を預けて祈るしかありません。(笑)
たまに向かい側から来る車とすれ違う時も、落ちないかとびくびくしました。
北欧では昼でも走っている車はライトをつけて走ります。
左下の写真のように折り返す下の道路が見えています、こちら側は川のように水の通り道がなく、滝になって流れ落ちるばかりです・・・
そして、すべてが黒っぽい岩山で出来ていて、この硬い岩の地形を氷河が削り取って、無数のフィヨルドを形作ったのですから、自然の驚異に感服です。
右下の写真は山間にガイランゲルフィヨルドが見えてきました。
フィヨルドというのは海面ですから、海抜0mです、1500〜2600mから一気に下るのですが、時間もそれ程掛かりません。
右下の写真のガイランゲルフィヨルドのこの谷間こそ、氷河が削り取った爪あとなのです。
相合傘の二人がいいですね、そこだけカラー写真になっています。(笑)
山に登るのなら自然にない色を着るというのが分かりますね、遭難した時には目立ちますから。

ヘヤピンカーブを下ります

谷あいに見えてきたガイランゲルフィヨルド
なんとも霧が晴れてくれないのは残念ですが、雨はあがりました。
ガイランゲルフィヨルド(世界遺産)を目の前に建つホテル・ガイランゲルに到着です。
ホテルの部屋の窓から、湾の写真を撮りました。

ホテルの窓よりガイラゲル湾を見下ろす
食後時間があったので、海岸まで散歩に出ました。
みやげ物店の前に大きなトロールが立っていたので、記念撮影です。(笑)
背景の山を見れば分かるのですが、この辺は黒っぽい色の岩山で、土がなく水を吸い込まないので、すべて滝となってフィヨルドに流れ込んでいます。
その岩山を見ていると、この地でトロールという妖精が生まれたことが納得できるし、この岩の肌のようなトロールの像が作られるのがわかりました。
右上の写真の中央に、向こう側の桟橋にフェリーが止まって、大きい口(車の入り口)を開けています。
明日の朝、私たちもあの場所から同型のフェリーに乗りガイランゲルフィヨルドの見学に出ます。


食事・他
昼食
       
 カリフラワーのスープ                       ポーク料理                        コーヒーとフルーツ
夕飯
        
  前菜をたっぷりと                        メインは少なめです(笑)                デザートはアイスとフルーツ
さすがヴァイキングの土地だけあります、夕飯もヴァイキング式です。
生ハムやサーモン、エビ、やザリガニが名物で、真ん中の写真の下の小さいザリガニを試食です。
やはりエビとは違いますね、私はこれ以上はパスです。(笑)
ホテルの部屋はホテルというよりか、家庭的な暖かい雰囲気がします。
北欧の地は木材も豊富で、それらを使ったデザイン性のある北欧家具も有名です。
これからのホテルの個性的な部屋も楽しみです。
ただこのベットは、シングルベッドが2つ、重なっているのですが、その幅がとても狭くて驚きました。
70cmか75cmぐらいなのではなかったでしょうか・・・、落ちないように気をつけて寝ました。(笑)
右上の写真は散歩に出た際に山肌の岩間に咲いていた花が、余りに可愛いので撮りました。





Finland  、 Sueden 、 Norway & Denmark  Finland  、 Sueden 、 Norway & Denmark

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