ガイランゲルフィヨルド地区へ
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首都オスロを後にして、フイヨルド地区のガイランゲルへバスで向かいました。
ノールウェーの面積は日本とほぼ同じぐらい、北緯57度以上という高緯度地帯に位置にあるのですが、ノルウェー海流が暖流であるため、冬でも海岸線は不凍港だそうです。
陸地のほとんどをスカンディナヴィア山脈が占める山岳地帯で、30%以上が森林や河川、湖沼という地形です。
右地図のようにオスロフィヨルドに流れ込む川沿いを北上します。
その川沿いのレストランでトイレ休憩がありましたが、その脇に咲いていたハマナス(左下)と満開のライラック(右下)です。
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ハマナスの花 |
ライラックの花 |
木彫りの翁と嫗
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スキーをしているトロル?
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とにかく森林地帯ですから、豊かな木材を使った木彫りが至るところに置かれています。
左上の写真は道案内のように交差する道路の中央にあった、おじいさんとおばあさんの彫刻です。
右上は、給油に立ち寄ったスタンドの脇にあった木彫り群の一部です、様々な像が並び、ムンクの「叫び」の像まであり、笑ってしまいました。
背景にはノルウェー名物、屋根の上に草の種を蒔いた小屋まで見えます。
途中1994年2月に行われた冬季のオリンピック会場になった街リレハンメルを通りました。
ジャンプ会場を見ながらバスは通過しましたが、オリンピック開催としては最北の地ということです。
またその地域にじかに足を踏み入れたことも感慨深いです。 |
スターブ教会(ロム村)
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ロムスターブ教会
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1200年代に建てられた教会ですが、その後増改築をしたりして、今の形になったロムスターブ教会です。
スターブ教会とはノルウェーのキリスト教会がヴィキング船様式との合体で作られている教会のことです。 またスターブとはノルウェー語で、垂直に立った支柱を意味するそうです。
ヨーロッパ全体ではほとんどのキリスト教の教会は石造りですから、木造と言うのは珍しく、残っているのもこのノルウェーだけだそうです。
スターブ教会の特徴は屋根のこけら板とヴィキングの守り神の龍頭が屋根の端に掲げられ、その作りもヴィキング船の船底の木組みと同じだそうです。(釘を使わず梁を組み合わせていくもの)
またこれらは、腐食を防ぐために、黒いタールが塗られ、土台には地面からの湿気を防ぐため重ねた石を土台にしています。
これだけの多くの森や、大きな木がある地域でもあり、何か木造建築ということで、日本とも共通の物を感じ親近感が沸きます。
右下の写真はすぐ近くのレストランですが、屋根に草を生やしています。
種を蒔いて生やすのですが、冬は暖かく夏は涼しいそうです。 |
こけら板と龍頭
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屋根に草の生えたレストラン
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リレハンメル、ロム村まで来ると山の頂には雪が残り、周りの景色も変わってきました。
急に雨が降ってきましたが、それもノルウェーの天気の特徴だそうです。
これまでこの地を訪れる観光客というのは、アジアでは日本人ぐらいだったそうですが、最近は中国や韓国の方も多くなったそうです。
「ゆりかごから墓場まで」というのは、イギリスの社会福祉のスローガンですが、北欧圏も世界の福祉先進国だと私たちは聞かされています。
ノルウェーは第二次大戦後すぐに福祉の充実に取り掛かり、貧富の差がないとはいえないが、最低限の生活は保障され、教育費も医療費も無料です。
その代わり税金は収入の45%だそうです。
物価も高く内税ですが、24%が税金で、若い方のほとんどは共稼ぎで生活を支えているそうです。
その代わり、老後のための貯蓄は必要がないので、みなさん貯金はしないで今の生活を楽しむそうです。
学費が無料ということもあり、留学生も多く、最近特に中国からは多いという話でした。
夏場ということで、多くのキャンピングカーなどにも出会いましたが、ほとんどがレンタカーだということです。
その代わり、税金を払っている人は、どこに住もうと、ノルウェーの主権のおよぶところは、福祉の恩恵を受けることが出来ます。
それで右下の写真ですが、これだけ高度が高い山の中でも、電信柱が立ち、電線が通っています。
何キロ先まで隣家がない1軒屋でも人が住めば、国が電気と水洗トイレ(下水道)の設備をするそうです。
日本では、電気も水道も来ていない土地ですと、すべて自分で手配をしないといけませんが、こちらではそういうことはなく、国の仕事と言うことで、感心しました。
この辺の木の電信柱は以前の日本を思い出し、懐かしい気がしました。 |
山の頂には雪、川に沿った道を走ります
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川の半分が凍っています
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川の全面が凍っています
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山の上には霧がかぶり、小雨模様で景色がはっきり見えないのは残念ですが、運転手さんには雨でよかった、道路が凍結すれば走れないところだったと言われました。
ということは、足止めで進むことが出来ないわけですから、ほっとしました。
夏とはいえ、やはり厳しい気候の地域です、上の写真では川の半分が凍っていたのですがほぼ山頂近くに来ると全面凍結です。
でも自然の造作する景色は時として厳しい姿を見せてくれますが、また神秘的で美しくもあります。
1500から2600m級の山々があるので、上ったら今度はガイランゲルフィヨルドに向けて一気に山を下ります。
約10のヘヤピンカーブを下るのですが、まったく自然なためガードレールもなく、自分の座席から下を見ると、道路をはみ出している様に見え、スリル満点ですが、運転手さんに命を預けて祈るしかありません。(笑)
たまに向かい側から来る車とすれ違う時も、落ちないかとびくびくしました。
北欧では昼でも走っている車はライトをつけて走ります。
左下の写真のように折り返す下の道路が見えています、こちら側は川のように水の通り道がなく、滝になって流れ落ちるばかりです・・・
そして、すべてが黒っぽい岩山で出来ていて、この硬い岩の地形を氷河が削り取って、無数のフィヨルドを形作ったのですから、自然の驚異に感服です。
右下の写真は山間にガイランゲルフィヨルドが見えてきました。
フィヨルドというのは海面ですから、海抜0mです、1500〜2600mから一気に下るのですが、時間もそれ程掛かりません。
右下の写真のガイランゲルフィヨルドのこの谷間こそ、氷河が削り取った爪あとなのです。
相合傘の二人がいいですね、そこだけカラー写真になっています。(笑)
山に登るのなら自然にない色を着るというのが分かりますね、遭難した時には目立ちますから。 |
ヘヤピンカーブを下ります
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谷あいに見えてきたガイランゲルフィヨルド
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なんとも霧が晴れてくれないのは残念ですが、雨はあがりました。
ガイランゲルフィヨルド(世界遺産)を目の前に建つホテル・ガイランゲルに到着です。
ホテルの部屋の窓から、湾の写真を撮りました。 |
ホテルの窓よりガイラゲル湾を見下ろす
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食後時間があったので、海岸まで散歩に出ました。
みやげ物店の前に大きなトロールが立っていたので、記念撮影です。(笑)
背景の山を見れば分かるのですが、この辺は黒っぽい色の岩山で、土がなく水を吸い込まないので、すべて滝となってフィヨルドに流れ込んでいます。
その岩山を見ていると、この地でトロールという妖精が生まれたことが納得できるし、この岩の肌のようなトロールの像が作られるのがわかりました。
右上の写真の中央に、向こう側の桟橋にフェリーが止まって、大きい口(車の入り口)を開けています。
明日の朝、私たちもあの場所から同型のフェリーに乗りガイランゲルフィヨルドの見学に出ます。 |
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