3日目 ガイランゲルフィヨルド(世界遺産) 
何千年もの歳月を重ねて、氷河が削り取ったU字型の深い谷に、海水が流れ込み、フィヨルドができました。
大小さまざまなフィヨルドが連なるノルウェー西海岸は、世界有数のフィヨルド地域、なかでも世界遺産に登録されているガイランゲルフィヨルドをはじめとする5大フィヨルドは、他に類をみない素晴らしい景色を誇り、世界中から観光客が絶え間なく訪れています。(フィンランド航空の小冊子Norwayより)

その5大フィヨルドが左の図です。
私たちの旅行の思いも上に書かれている通りで、1万年前の氷河が削り取ったフィヨルドの海岸とその氷河になんとしても自分の目で見たいというのが、この旅行の目的でもあります。
その一番北部の南ムーレ地方にあり、長さ20kmのガイランゲルフィヨルドから見学です。
今日はそのクルーズと氷河を見て、ソグネフィヨルド地区へ移動します。

私たちの目からすると、フィヨルドは幅といい、波のない静けさといい、川か運河としか思えなのですが、そのフィヨルドの成り立ちを調べてみました。

約100万年前の氷河期のノルウェーは、厚さ1000〜3000mもの氷河に覆われていて、内部に非常に強い圧力がかかっていたそうです。
約1万年前から、氷河は谷底を削りながら海へと後退をしていく、その際に形成されたのが両側に岩が切り立った深いU字谷です。
氷河は海に近づくにつれ溶け、侵食力が弱くなり、氷河とともに運んできた石が堆積されます。
それでフィヨルドの陸側は深く、海側は比較的浅くなっているということです。
それが右図の手前がフィヨルドの横面の図で、海側に浅く、山側に深くなっています。
奥がフィヨルドの断面図で、氷河が深くU字型に谷を削り、海側に溶けた(後退した)ことがわかります。
自然の威力が作りあげた景観です、実際見るのが楽しみです。

ガイランゲル村を出発です

左舷より望むガイランゲルフィヨルド



太陽は見えず白黒写真の世界で、空も海も静寂そのものです

出発朝7時半、気温9℃、昨日に引き続き雨で天気が良くありません、でも山の天気は変わりやすいですから、良いほうに変わることを期待しています。
船上からガイランゲル村に別れを告げます、写真の中央岸の傍に建つホテル・ガイランゲルの上の段10階に宿泊しました。
船のデッキ上は風が吹きすさび、持ってきたものをすべて重ね着し、巻けるものを首に巻いてもなお冷たい風が忍び込むという具合で、皆さん船室で待機されています。
私も最初は船室にいたのですが、窓から見る景色はテレビの映像と同じで、実体感が薄いので、寒くとも負けない決意でデッキに上がりました。(笑)
右舷も左舷も誰もいません、でもはるばる来たのですから頑張ることにしました。
ただ、小雨交じりの気候では写真を撮っても白黒の世界です、まことに太陽とはありがたいものと実感しました。(笑)
細くなった海峡を曲がると少し視界が広がってきました。
山の上に雪が見えますが、それらの雪(氷河もあるかも)が、岩山をつたって滝になって流れ落ちます。
その滝の名所があるということで、船室から皆さん、デッキ上に登場で賑わってきました。
それとともに、少し空も日が差してきました。

甲板の上は風が寒いです

滝の名所があるので賑わってきました



「七姉妹」の滝



「求婚者」の滝
両側の山から、至るところで滝が流れ込んでいますが、海面ですから、いる場所は海抜0mで、山々は1000m〜2600m級ですから、崖も1000m位はあるでしょうか、そこから流れ落ちる滝は華麗にて荘厳です。
これだけ滝水が流れ込んでいるのですから、海水の塩分濃度は薄められているそうです。
それでもこの奥地まで、カモメが群れ飛んでいる姿を見るにつれ、ここも海なんだと再認識させられました。
上の写真は有名な滝で7本の滝が「七姉妹」の滝と呼ばれ、それに向かい合うかたちで、下の大きな滝が流れ「求婚者」の滝と呼ばれています。
言い伝えでは「求婚者」は対面の「七姉妹」にプロポーズをして何度も断られているそうです。



向こうにも同じようなフェりーが見えます


こちらは豪華クルーザーです
幽玄の世界ですね、それに太陽が出ないと水墨画の世界でもあります。
一つ上の写真は私たちが乗っている船と同型フェリーが見えますが定期船で、一人でも出発しますし、これらの山にも村が、港には町があるので各港に寄り、市民の足となっています。
連絡船と山の大きさが比べられます。
その下の写真はこういうフェリーよりも格段に大きくて立派な豪華客船です、きっと北大西洋から来たのでしょう。
その山の中腹に家がいくつか見えています、山々の上にも農耕地があり、人々が住んでいます。

海面にも相似形の景色が映ります
ガイランゲルフィヨルドはストールフィヨルドの15kmの支流で、最狭部で250mと両側の山や崖が迫り来て、男性的でノルウェーで一番美しいフィヨルドといわれています。
そのフィヨルドの映り行く美しい光景を眺めながら、時の経つのも忘れてしまいそうでした。
大西洋から、これだけ奥地までフィヨルドがあるのですから、ヴァイキング時代にヴァイキングの船たちが、この険しい岩肌に身を寄せていても見つからなかったことでしょう。
もちろん海賊船というのはヴァイキング船の一部の話ですが、当時に思いを馳せると、、竜頭の船首が進む姿がこの美しい景色に溶け込んでいたような絵が描けます・・・。

行程約1時間で、ヘルシルトの村に到着です。
ヘルシルトにて下船、バスで少し移動し、そこで食事をして、その後氷河見学となります。



プリクスダール氷河
右の写真は私たちがこれから行くブリクスダール氷河と、その道程のポスター写真です。

写真の一番下の駐車場のところにあるレストランで昼食をとりました。
この氷河が見れるのは5月から11月までです。

そしてこの山道を歩いて行くと片道1時間は掛かるそうです、それで、右のポスターのTroll Carsの4輪駆動車に乗り、途中から徒歩で上りますが、それでも20分ぐらいに短縮できるということです。

ポスターのような青空が見えるとよかったのですが、あいにくの空模様で、今にも雨が降りそうです。

6人乗りで3台に分かれて乗り合いました。
今にも雨が降りそうなのと、走ると風が冷たいので、青いシートを膝から足元まで巻きつけます。
私たちの運転手は若い女性でしたが、たくましい感じで、命を預けられると思いました。(笑)
その女性も防寒も雨よけもバッチリ重ね着で、頭もヘルメットの上にカッパを被ります。(下の写真に頭が写っています)
路肩も自然のままで、下りの四駆とすれ違う時はヒヤヒヤしました。
命は預けた積もりでも、やはり事故にはあいたくありませんから〜(笑)

四駆が通る時、歩いている方に避けてもらいます

滝が流れています
それと大多数の方は登山姿で歩いておられるので、車が通る時は避けてもらわないといけないので気の毒でした。
以前のガイドブックには馬車が通ると書いてありましたが、一台も見かけることはありませんでしたから、すっかり時代の流れで変わってしまったのでしょうか。
右上の写真は滝が見え、多くの登山客がいます、またその前に細い橋がありますが、そのまま車で進みます。
その滝の上を沢山の人が登っていますが、かなりの急傾斜です。

大瀑布です

氷河が見えてきました
水量の豊かな滝で、こちらに来てからは無数の滝を見てきましたので、それぞれに名前があるのかどうかわかりませんが、ただすっかり見慣れてしまって、だんだん驚かなくなってしまいました。
豊かな水があるからでしょうか、このノルウェーでは食事の際に無料で水がつき、そのまま飲むことが出来ます。
日本と同じで、お酒を飲まないのに、わざわざジュースを注文することもなくなりました。
テーブルの真ん中に水差しがあるので、おかわりすることもあります。
するとまもなく右上の写真のように氷河が見えてきました。
これは滝ではありません、ポスターの写真と同じですから氷河です、大感動で感激しました。
ここで四駆も終点です、30分後だったか集合時間を決めて、下りも乗って帰ります。



感動の氷河です



ここからは徒歩で上ります


道の両端の茂みは水分が多いので苔むしています
地球上に残されている氷河はその氷河の面積を累計すると約1633平方キロメートル、全陸土の約11%を占めているそうです。
またその氷河は発達地域による2種類の形態があることが知られています。
一つは山岳地に形成される山岳氷河で、もう一つは主に南極とグリーンランドの広大な面積を覆っている大陸氷河です。
ノルウェーは山岳氷河です。


氷河と氷河湖(左側の5人ぐらいの人で氷河の大きさがわかります)
まさに神秘のブルーで、この氷河の青色をグレシャスブルーと言います。
氷や雪が重なって圧縮され、空気がないことで、一定の光(波長)しか通さないのでこの色に見えるそうです。
ただ私がこの目で見た色が、案じたとおり写真では残念ながら表されていません。
中々写真でその通りの色を出すのは難しいのですが、曇りならましということで期待しましたが、難しいですね。
花でいうところの瑠璃色のブルースターの花の色に似ています。
それと、表面が灰色にくすんでいるのは、空気中の汚れが堆積したものだそうです。
今目の前の存在が100万年前の氷河がルーツですから、地球の深部を覗き見たという感じがしました。
上の写真で、水のほとりを歩いている人が5〜6人写っていますが、黒い点に見えています、そ
と比べるとこの氷河の大きさが分かると思います。
氷河登山のツアーもあるそうですが、それなりの装備と準備が必要になってきます。
表面が薄汚れている色合いになっているのは、地表上の汚れそのものの色です。

右横の写真は同じブリクスダール氷河ですが、絵葉書の部分を載せてみましたが、綺麗な色がそのまま出ていますので、参考にしてください。
今でも私の脳裏には、この幻想的な色のグレシャスブルーの氷河が横たわっています。

ちょうど時間に、下の写真の3台の車が待っていました、右下はヘヤピンカーブの下、滝の脇を前の車が走ります。


終点駅で待ってくれています




滝の脇を走る先頭車


<立て看板の写真>

                

上の写真は看板の解説に使われていた写真です。
その左端の地図はこの地の氷河で、ヨーロッパ最大のヨステダール氷河(Jostedalbreen)から支流のように西の谷に押し出された”懸垂氷河”といわれるのが、四角い囲いの中のブリクスダール氷河です。
長さ約5km、面積で480kuあり、最も深いところで氷の厚さは400mあるそうです。
真ん中の写真は1872年のブリクスダール氷河の写真で、右端は1890年のブリクスダール氷河の写真です。
上の私が撮った写真と比べると、先端部分の盛り上がりがどんどん後退しているのが良く分かります、2008年の先端は盛り上がりもなく、今にも消えそうです。
これからの地球温暖化の影響を考えると、これから先がますます心配です。
今できることをしておかないと、地球の遺産が溶けてしまいます。

ボイヤ氷河

ブリクスダール氷河からの帰路、明日クルーズするソグネフィヨルドが見えてきました。
回りは牧場で、牛や羊が群れていて、いかにも牧歌的という雰囲気です。
家も一軒ずつ離れて建っているので、道路脇にその家の数だけポストが並び、郵便配達の人が、郵便配達の人が便利なようになっていました。

ボイヤ氷河(氷河がかなり後退しています
予定時間よりも早いということで、宿へ直行する前に運転手さんのご好意で、ボイヤ氷河へ回ってくれることになりました。
こちら運転手さんの契約条件に、3時間ほど走ると20分の休憩が必要ということで、トイレ休憩に当てたり、路肩で休憩という時間もありましたが、こういう融通が効くというのは、観光客にはありがたいことです。
こちらは写真スポットで降りて見学しました。
ガイドブックに良く載っている氷河ですが、その写真より随分後退していますね、看板の写真を撮りましたので、当時と比べるとその差が歴然とします。

両氷河とも下から見上げる形でしたが、対面する山の高さから、これらの氷河を眺めてみるとその角度で、氷河の雄大さを感じることも出来たのだと思います。
先日 深夜のテレビ番組で、このヨーロッパ最大のヨステダール氷河を上から見るということで、ヘリコプターでこの氷河を写していました。
雄大で荒々しい姿が映し出されていましたが、羨ましいことこの上なかったです。(笑)
私たちはこの氷河の末端部分の少しを、下から見上げるだけでしたが、それでもその雄大な存在と神秘的な空間を満喫することが出来ました。

ソグネフィヨルド



眼下に見るソグネフィヨルド
帰路、ソグネフィヨルドを見下ろす見晴らし台があるところへきました。
悠々とした流れというか、まるで湖のようです。
ソグネフィヨルドはフィンランドで一番大きく、ガイランゲルフィヨルドが男性的といわれるのに対比して女性的といわれているのがわかる気がしました。
美しい眺めで、悠然としていて優しい感じがします、明日のソグネフィヨルドクルーズが楽しみです。
このソグネフィヨルドの最深部にあるラルーダールの村に宿泊です。

今回のフェリーは30分ぐらいで到着です。
右の写真は同じフェリーに乗り合わせた少年達で、手を振ると、笑顔で振り返してくれ人懐っこい感じがします。
お揃えのTシャツ姿で、サッカーボールを持っている子がいて、サッカーの少年チームのようです。
私たちはこの村の港で下船しましたが、彼らはそのまま乗って行きました。
また偶然ですが、次の日に別の場所で遭遇することになります。(笑)


食事・その他

昼食(ブリクスダールのレストランで頂きました)
     
   スープ                      ハンバーグだったかな?ジャガイモが大きいです(笑)         クレープのデザート
夕食(ホテルにて)
      
夕飯はまた、ヴァイキング形式でした        デザート、たっぷりです(笑)
ホテル

ホテルの部屋

窓の外の光景
上の写真はホテルの部屋で、シンプルですが、椅子もデザインが素敵です。
右上の写真はホテルの部屋の窓からの景色で、どの家にも煙突があるのは暖炉があるからでしょう。
よくその煙突にかもめが止まっていました。
写真の右側500m先がもう港になっています。

右の写真は同じホテル・リンドストロームの別館で、私たちは海側のホテルでした。
代々続く家族経営で、夕食後ティールームでピアノ演奏がありました。
大サービスで、次々と日本の名曲(アザミの歌とか宵待ち草とか・・・古め)の演奏が流れ、ツアー客から歌の上手な方が次々と登場して素敵な喉を披露されました。
最後は異国の地で生ピアノ演奏による女性陣の大合唱となりました。(笑)
村のマーケット

並べられた野菜

菓子類
ラールダールはこじんまりとした村で、私たちの泊まったホテル(リンドストローム)の周りに、港も学校もあり、この村に2軒しかないというマーケットもすぐ近くに向かい合って建っていました。
食事前に時間があったので探索に出かけ、値段比べをしたり、おやつを求めました。(笑)
左上は果物で、すいかも、ぶどうも、パイナップルも並んでいます。
右上はお菓子類が色とりどりに並べられていました。
村の住宅

家並み

前庭の花
次の朝は出発時間が9時と遅かったので、朝散歩に出ましたが、空気やひんやりとして手がすぐに冷たくなりました。
港から奥に行くと、手入れの行き届いた、この地ではきっと高級住宅という家並みが少し広がっていました。
左上の写真の手前は、分類用のゴミ箱です、ノルウェーの街並みは全体的にゴミはなく綺麗でした。
家の前にはライラックの花が咲いていました。
右上の家の前も花が色とりどりに咲いて景色に溶け込んでいました。



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