アルハンブラ宮殿の見学後、レストランで食事をすませ、本場のフラメンコを昔ながらの洞窟(タブラオ)で見学です。
フラメンコはスペインを代表する民俗芸能で、歌と踊りとギターが一体となって人生の喜怒哀楽を表現する迫力満点のステージです。
このフラメンコはスペイン南部アンダルシア地方で生まれました。
15世紀ごろ、東方から流浪してきたジプシーたちがアンダルシアに辿りついて定住し、土地の民謡を自分達流にアレンジしたものが元になり、彼らの生活に根ざした歌や踊りだったものが、一般の人々の心をとらえ観客を集めて上演するようになりました。
最初は手拍子を伴奏に歌い踊り、その後伴奏としてギターがついたそうです。
カフェ・カンタンテといって、フラメンコの歌や踊り見せる酒場が流行り、歌、踊り、ギターのすべてが発展しました。
その後世界的不況やスペイン内戦で衰退するのですが、20世紀半ば世界的な民族音楽の復興で再び盛んになります。
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以前から真島昌利さん作詩・曲の「アンダルシアに憧れて」に慣れ親しんできましたので、その曲中の歌詞の
「アンダルシアに憧れて 薔薇を加えて踊っている 地下の酒場のカルメンと」・・・
私たちの泊まっているホテルが「カルメン」で同じ名前だし・・・(笑)
「アンダルシアの青い空 グラナダの詩が聞こえた〜」
確かにアンダルシアのグラナダの空は青かった〜。
と同じ思いに、憧れてここまで来たのは自分だと思ったり・・・
また同じグループにフラメンコ教室に通っている仲良しグループの方がいました。
このアンダルシアで衣装や小道具の調達や、この生ライブを楽しみにしておられる気持ちもに連鎖反応して、嫌が上にも意気が高揚してきます。(笑) |
それに一番上の写真を見たらわかるのですが、この洞窟が新幹線の車両内部ぐらいの広さ(狭さ)で、周りに観客がびっしりです。
日本人は4〜50人でツアー2グループ分ぐらいで、あとは他の国の観光客の方が多かったです。
こちらはタブラオの中でも老舗のLos Tarantos(ロス・タラントス)で、よくパンフにも出ているお店で、34年の歴史があるそうです、よく予約が取れたな〜と思いました。
ワンドリンク付きで先に飲み物が来ました。
フラメンコは魂の奥底から歌われるカンテ「歌」、指先からつま先まで表情豊かに感情を表現するバイレ「踊り」、独特の技法で哀愁を帯びた旋律を奏でるトーケ「ギター」の3つが複雑に絡み、緊張感のある掛け合いで三位一体となって作り上げる世界です。
狭いだけに観客も一体となって盛り上がれます。
演者も縦長の席に5〜6人が腰掛けて、最初パルマ(手拍子)の打ち方を教わります。
そのパルマが高音(指の3本の上の方で叩く)と低音(手の平で空間をつくって)に別れ、リズムがだんだん早くなります。
そのパルマがだんだん強くなり、観客がついていけなくなる頃、本番がはじまりました。
凄い迫力です、それに足踏み(ドンと床を蹴る)が加わってスピードアップ、いえテンポアップ!圧倒されるリズム刻みです。
もうこれはまったく「アンダルシアに憧れて」の世界どころではないスペイン本場の生フラメンコと認識しました。(笑)
そうして、激しいリズムの中、ダンサーが半畳もない敷物の上に立ち踊りはじめます。
それが、また小刻みで場所の移動はないのですが、とても激しいもので、こちらも力が入ります。 |
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写真はOKですが、videoは駄目ということでした。
最初のダンサーも激しいと感じましたが、出る順番で、どんどん複雑さと過激さが増し、しばしカメラを忘れて眺め入ります。
少し休憩が入った後、男性ダンサーの登場です。
迫力満点で、足さばきが速くて力強いです。
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手や腕の動きに、細かいステップの足さばきで、激しくまたはしなやかに、そして喜怒哀楽を表現するだけに、豊かな表情で踊ります。
また皆さんアイラインを入れた目が大きいので、凄い眼力です。
ラストの方など射るような眼差しで、目が合うと心臓が止まりそうです。
それに踊りながら、目で「ダメ!ダメ!」というような合図をされ、スタッフがそこへ飛んで行き、撮影を辞めるように言っています。
写真はOKなので、ビデオでも撮っていたのかしら?と思うのですが、最近はカメラにビデオ機能が付いていますからそれかもしれません。
そんなわけで、もう激しいリズムに身をくねらせながらも、眼光鋭く獲物を睨む!というか、戦いを挑む目です。
私など蛇に睨まれたカエル状態になるのは間違いないので、もうカメラを下ろしてしまいました。(笑)
他のダンサーから「オレ!」というハレオがかかり、舞台は最高潮に達します。
シロウトでは、掛け時を間違えると大変なので、このハレオは慣れないと難しいと思います。
この狭い空間での生フラメンコの激しいダンスにはとても感動しました。
本来は10時ごろからはじまるようですが、8時過ぎからはじまりましたから観光客用かもしれません、終了は9時過ぎでしたが、入り口には、もう次のお客で一杯でした。
サンクロモンテの丘の上は夜風に吹かれて、とても気持ちが良かったです。
その帰り道、ライトアップされたアルハンブラ宮殿を見ることが出来ました。
まさに情熱的なグラナダの夜を過ごすことが出来ました。
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